2014/10/16

天才の証明


はるたんの「パジャマドライブ」に衝撃を受けた私がとどめを刺されたのは、同じひまわり組公演の全体曲「キスして損しちゃった」での彼女の叫びだった。

名曲ぞろいの「パジャマドライブ公演」のなかでも、「キス損」はとくにすばらしい曲だ。曲中で、二股男の名前を1人のメンバーが2回呼ぶのだが、呼び方が少し違う。これにはちゃんと理由がある。

最初は「星空の下で見つめ合って、抱き寄せられたあの日」という歌詞とともに、熱愛の(と信じていた)日々を回想するから、甘えて「くん」づけで呼ぶ。しかし次には「言い訳がちょっと予想外で、遊び人だと知った」と裏切りの事実を突きつけられるから、怒りをこめて呼び捨てで叫ぶ。言葉づかいが違うだけではダメで、顔つきや発声も変えなければならないはずだ。

どのメンバーも頭ではわかっているはずだけれど、実践はたやすくない。しかし公演スタートからまもない2013年11月22日。セリフの背景の違いを完全に理解し、強烈に表現し分けてみせたのは、気になり始めたばかりのはるたんだった。またしても感激した私は、こんな感想を書いた。
最初の「ワタナベく〜ん」をかわいらしく呼んだはるたんは、2度目は打って変わって目をギラつかせ、完全にキレた表情となり、呼ばれた男が腰を抜かすような鋭い声で「ワタナベェ!」。いや、すごい。ふだんのほんわかしたキャラからの豹変ぶりにびっくりするし、怒りがこみ上げる様子を描く表現の切り替えもすばらしい。この子はきっとアーティストや役者の素質がある。
尊敬する渡辺麻友さんの名前を借りたはるたんだが、まゆゆがその場にいたら卒倒するような気迫だった。上の写真でもある程度伝わるはずだけれど、はるたんの怒りの表現は、ネット配信でみてもケタ外れだった。らんらんと輝く眼光。劇場を震わすような怒声。当時14歳になったばかりのはるたんはあの日、みずからの天才を証明してみせたのだ。

#上野遥 #上昇気流 #HKT48